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2021/08/17

新型コロナウイルスワクチンに関するQ&A その3

質問一覧

 
 

質問と回答

 
質問1:ワクチン接種をしていても、デルタ変異株については感染を予防する効果は弱いのでしょうか?
回答ワクチン接種をしていても、変異をしていない新型コロナウイルスや他の変異株に比べて、デルタ変異株に対しては感染をするリスクが高いことが報告されています。但し、ワクチン接種をしていることで、重症化を予防する効果があることも報告されています。感染防止対策としては、手洗い、マスク着用、密を避ける、について、より徹底することが求められます。マスク着用についてはより効果の高い材質のものを使うこと、ヒトとの距離をしっかり取ることが重要です。
(詳細説明)
1) 米国の権威ある機関の米国疾病予防管理センター(CDC)は7月30日、新型コロナウイルスの変異株であるデルタ株について、ワクチン接種を完了した者(注)であってもデルタ株に感染した場合に他者に拡散させるリスクを指摘する声明を発表しました
CDCが同日に発表した疾病・死亡率週報以下、週報)によると、マサチューセッツ州で7月3~17日に発生したクラスター感染のうち、73.8%(469人中346人)がワクチン接種完了者だったと報告。また、感染者のうち133人のゲノム配列を検証したところ、9割がデルタ株に感染していたとしています。これを受けて、CDCのロシェル・ワレンスキー所長は「ウイルス量が多いことは感染リスクが高いことを示しており、ほかの変異株と異なり、ワクチン接種完了者であってもデルタ株に感染した場合にはウイルスを伝染させることが懸念される」と声明の中で述べています。
(注)ワクチン接種完了者:決められた回数のワクチン接種完了後2週間を経た者が対象で、ファイザー製とモデルナ製は2回、ジョンソン・エンド・ジョンソン製は1回の接種でワクチン接種完了とされている。
以上、JETRO(ジェトロ)のビジネス短信より。
2) 忽那賢志先生(大阪大学、感染症専門医)による発信  https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210801-00250999
デルタ型変異ウイルスは従来の新型コロナウイルスよりも感染力が43~90%強いと報告されていたアルファ型よりも、さらに64%感染力が強いとされています。
CDCの報告書によると、従来の新型コロナウイルスは1人の感染者から平均1.4〜3.5人くらいに感染していましたが、デルタ型は1人の感染者から平均5〜9人に感染すると算出しています。
これは、MERSやSARSといった同じコロナウイルス感染症、季節性インフルエンザ、エボラ出血熱などよりも感染力が強く、空気感染する水痘(水ぼうそう)と同等と考えられます。
デルタ型の感染力が強い理由として、従来の新型コロナウイルスよりも感染者の体内でのウイルス量が1000倍以上多くなることで、感染者が周囲に撒き散らすウイルスの量が増えるのではないかとする査読前の研究が中国から報告されています。
海外からの報告では、デルタ型変異ウイルスはこれまで以上に感染した際に重症化するリスクが高くなると言われています。しかし、これまでのところ、mRNAワクチンなどの新型コロナワクチンは、感染予防効果や発症予防効果が低下する可能性はあるものの、重症化予防効果は保たれていることが示されています。
 
質問2:海外では3回目の接種を開始したとのことですが、2回のワクチン接種では不十分ということでしょうか? また、日本はどうするのでしょうか?
回答上記回答の忽那先生のコメントにもありますように、デルタ変異株の感染力が高いために、2回目のワクチン接種から時間が経過した高齢者の中で感染を防ぐ抗体の力が低下する可能性を考慮してのものです。日本においても、来年3回目の接種を行う可能性を河野大臣が発言しています。
(詳細説明)
1)イスラエルは新型コロナウイルスのワクチンを2回接種した60歳以上の市民に3回目の接種(ブースター接種)を始めたとのことです。3回目の接種に踏み切るのは世界で初めてとなります。感染力が強いとされるデルタ変異株がまん延している中、時間の経過とともに低下する免疫を高める効果を狙うということです。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB020L60S1A800C2000000/
2)英政府は、年内に新型コロナウイルスワクチンの追加接種プログラムを開始する計画の検討に入るとのことです。ワクチンについて政府に助言する専門家が、高齢者やリスクの高い人を対象に3回目の接種が必要になる可能性を指摘したとのことです。
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-britain-booster-idJPKCN2E62U0
3)米モデルナは8月5日、世界で感染が広がる新型コロナウイルスのデルタ株への対策として、「3回目の接種が今秋に必要になりそうだ」との見解を明らかにしました。発症を防ぐ効果は2回目の接種から6カ月経っても90%以上の高いレベルを維持したが、時間とともにデルタ株など変異株に対する抗体の力が衰えていくことなどを理由としているとのことです。
3回目の接種をめぐっては、欧州で検討が進んでいるとのことで、米国では、米紙ウォールストリート・ジャーナルが8月5日、米食品医薬品局(FDA)が9月初旬までに3回目の接種に関する戦略をまとめる予定だと報じたとのことです。日本政府は7月、モデルナと5千万回分の追加の供給契約を結び、早ければ来年初頭にも供給されるとのことです。
https://www.asahi.com/articles/ASP862SX8P86ULFA001.html
4) 河野行政・規制改革相は8月1日放送のBS朝日の番組で、新型コロナウイルスワクチンについて、2回の接種を終えた場合、来年に3回目の接種を行うことになるとの見通しを示しました。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210801-OYT1T50236/
5) 7月28日にファイザーが公表した資料によりますと、3回目の接種をした人はウイルスの働きを抑える中和抗体の値が、従来の新型コロナウイルスや、変異ウイルスの「ベータ株」に対しては、2回目の接種後と比べ、5倍から10倍に増えたほか、変異ウイルスの「デルタ株」に対しても18歳から55歳の場合、5倍以上に、65歳から85歳の場合は、11倍以上に増えたということです。
https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20210803b.html